環境負荷低減の取り組み
(グループ実績と新目標)
2019年度の目標および達成度
Theme❶CO2排出量の削減
2017年度に富士工場で実施したエネルギー設備の転換に伴い、原燃料を重油からLNG(液化天然ガス)に切り替えました。その効果が表れ始めています。
*単位生産量当たりの排出量・使用量・発生量
■2020-2022年度 次期中期経営計画における新目標
- グループ全体で
-
CO2原単位
21.5%削減
(2013年度比)
- 中長期ビジョン
- 2030年度までに2013年度比
CO2原単位で26%以上削減
Theme❷省エネルギー活動
エネルギー効率の良い燃焼ボイラーへの変更、2017 年度からの工場内水銀灯のLED 化、スチームコンプレッサーによるフラッシュ蒸気の再利用などによる効果が表れ始めています。
■2020-2022年度 次期中期経営計画における新目標
- グループ全体で
-
エネルギー原単位
1%以上/年削減
(2019年度比)
Theme❸化学物質(PRTR*物質)の排出量削減
PRTR物質の排出量原単位の算出においては、これまで新規発生源が発見された場合、過去の数値を修正することなく表記していました。しかしこの表記方法では、当社の環境負荷低減活動の実績がわかりづらいため、2015年度までの訂正結果を反映した遡及修正値を表記しています。その結果、今年度のPRTR物質の排出量原単位は、2016年度(基準年)比17.5%減となりました。目標達成には至りませんでしたが、未達の主な要因となったジオキソラン排出削減のため設備改善を行い、対策の効果が表れ始めています。
*Pollutant Release and Transfer Registerの略
対象・指定化学物質
1 | アンチモン及びその化合物 |
---|---|
2 | キシレン |
3 | 銀及びその水溶性化合物 |
4 | 1,4-ジオキサン |
5 | 1,3-ジオキソラン |
6 | 水素化テルフェニル |
7 | テレフタル酸 |
8 | テレフタル酸ジメチル |
---|---|
9 | トリエチルアミン |
10 | 1,2,4-トリメチルベンゼン |
11 | ノルマル-ブチル-2,3-エポキシプロピルエーテル |
12 | ベンゼン |
13 | ホルムアルデヒド |
14 | モリブデン及びその化合物 |
■2020-2022年度 次期中期経営計画における新目標
- グループ全体で
-
VOCの測定方法と
ベンチマークを確立
- 富士工場で
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PRTR物質排出量
50%以上削減
(2019年度比)
Theme❹産業廃棄物の削減
これまで単純焼却、埋立、再資源化の合計値から目標原単位を計算してきましたが、ゼロエミッション(埋立・単純焼却率1%未満)の達成度をわかりやすくするため計算方法および表記を変更しています。
今年度は目標値比12.4%減となりました。
■2020-2022年度 次期中期経営計画における新目標
- グループ全体で
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埋立・単純焼却率
16%未満
- 中長期ビジョン
- 2030年度までにグループ全体で
ゼロ・エミッションを達成・維持
活動トピックス
台湾・高雄工場
廃棄物リサイクル率97.4%達成
活動内容
高雄工場では、2013年度からゼロ・エミッション活動*を継続しており、今年度は廃棄物のリサイクル率97.4%を達成しました。その大きな要因として、スラッジ(排水処理過程で生じる臭気の強い沈殿物)の発生量を大幅に削減したことが挙げられます。
排水処理過程で発生するスラッジは水分を多く含んでいるため体積が大きく、約50トン/月の廃棄スラッジが発生していました。従来はこれらを埋め立て処理していましたが、環境負荷の低減およびスラッジによる異臭問題を改善するため、工場内でスラッジを乾燥処理する設備を新たに導入しました。機械選定においても環境に配慮し、省エネでCO2排出量の少ないヒートポンプを採用しています。スラッジを乾燥させることで体積が減り、廃棄量を20トン/月にまで削減すると同時に異臭問題も解決することができました。
*廃棄物の処理方法として環境負荷の大きい「埋立」「単純焼却」の比率を廃棄物発生量の1% 未満に抑えることを目的とした活動
-
高雄工場
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スラッジ乾燥処理設備
■乾燥処理によるスラッジの変化
体積が減り、
異臭問題も解決
廃水処理設備
台湾・高雄工場
高度な廃水処理により、
産業廃水を年間36,000 トン削減
工場から排出される産業廃水を削減するため、今年度、高雄工場では新たに高度な廃水処理設備を導入しました。これにより水中の浮遊物質(直径2mm 以下の粒子状物質)を高いレベルで除去することが可能になり、従来に比べ産業廃水を月3,000トン削減することができました。加えて、この設備で処理した水を製造工程の洗浄用水として工場内で再利用し、月3,600トンの節水も実現しています。
ロイナ工場
ドイツ・ロイナ工場
冷却設備とプロセスの変更により、
CO2排出量を年間365トン削減
ロイナ工場は今年度、LCP樹脂の原料であるpHBA製造過程における冷却設備とプロセスを最適化しました。汚れに強い熱交換器の導入と製造方法の改善の結果、従来は電力で生成していた10℃の冷却水を通常の冷却水で代替できるようになり、CO2排出量を年間で約365トン削減しました。この取り組みは企業の省エネ支援プログラムの対象となり、ドイツ・ザクセンアンハルト州より€1,500の補助金を受けています。