DURACON® POMProducts

金属に替わって
幅広く使われている
エンプラの代表素材

ジュラコン® POMは、自己潤滑性、耐油性とバランスの取れた機械的性質を持ち、それまで金属製だった歯車やねじ、軸受けといった機械要素部品の置き換えから市場展開がはじまりました。今では、ファスナーや歯ブラシの柄などの身近な生活用品から、自動車のドアロック・ドアラッチ、シートベルトロック機構などの安全部品、燃料系部品などに幅広く使用されています。世界シェアトップクラスで、全体の19%を占めています。

出典:富士経済 『2023年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略』

主な特長

POMは、化学名であるポリオキシメチレン(polyoxymethylene)の省略した呼称ですが一般的にはポリアセタール、アセタール樹脂(acetal resin)と呼んでおり、主として(-CH2O-)の構造単位からなる結晶性の熱可塑性樹脂です。

POMには、ホルムアルデヒドの結合でつくられたポリオキシメチレンの分子鎖からできているホモポリマーと、ホルムアルデヒドの三量体であるトリオキサンにエチレンオキサイドなどを結合してつくられたコポリマーとがあります。

ジュラコン® はこのコポリマーの代表格であり、主として歯車やねじ、軸受けなどの機械要素部品、耐薬品性や耐燃料性などが求められる信頼性部品を中心に活躍しています。DVDやレコーダー、Blu-ray ディスクレコーダーなどのAV機器、プリンター、複写機などのOA機器、洗濯機、冷蔵庫、シェーバーなどの家電製品、ドアロック、フューエルキャップ、燃料系部品ポンプ・モジュール、シートベルト機構部品や車室内装品などの自動車部品、さらにサッシやブラインド部品などの住宅設備関連から最新のゲーム機など多彩な採用例を挙げることができます。

ホモポリマーとコポリマー

前述のようにPOMにはホモポリマーとコポリマーがありますが、ホモポリマーは炭素-酸素結合のみで主鎖を形 成しているのに対し、コポリマーは主鎖に炭素ー炭素結合も有しています。

ホモポリマー

コポリマー

この分子構造の差が、ホモポリマーとコポリマーの物性や機能の差になっています。

コポリマーはホモポリマーより熱安定性が良い。

  1. 成形時の分解が少ないため変色やガス発生が低く、成形条件の温度範囲を広く取れる
  2. 高温時の耐熱水性、耐アルカリ性、耐油性に優れる
  3. 長期特性、例えばクリープ破壊寿命は長時間側でコポリマーの方が優れる

原料と製造法

ジュラコン® は、① メタノールを酸化してホルムアルデヒドを合成する。② ホルムアルデヒドを三量化して重合モノマーであるトリオキサンを生成する。③ 主モノマーであるトリオキサンを少量のコモノマーとともに重合して粗POMコポリマーを作る。④ 粗ポリマーに安定剤等を添加してジュラコンのペレットに製品化する。の主要4工程で作られています。

又、各種の性能を付加するため、粗コポリマーにガラス繊維や強化剤、特殊添加剤等を配合して様々な特殊グレードをコンパウンドして製造しています。

代表的なグレード一覧表

区分 特長 グレード名
標準 標準 M90-44
標準 高粘度 M25-44
標準 高流動・ハイサイクル M270-44
耐候性向上 標準 M90-45
摺動性向上 高摺動 NW-02
低VOC 標準 M90LV
低VOC 耐候性 M90-45LV
低VOC 摺動性 NW-02LV
低VOC タフ TF-10LV
低VOC 艶消し・耐候性 LU-02LV
特殊 高強度・耐燃料 H140-54C
特殊 耐塩素水 WR-01
耐クリープ性向上 - CP15X
ガラス繊維強化 GF25%強化 GH-25
各国水道法・食品接触用途適合 標準 M90-57

主な用途例

  • Printersプリンター駆動ユニット

  • Door locksドアロック

  • Toothbrushes歯ブラシ

  • Extruded products食餡機(押出成形)

  • Fuel system partsフューエルポンプモジュール

  • Door rollers戸車

  • Clipsクリップ類

製品関連情報