DURAFIDE® PPSProducts

耐熱性・耐薬品性を誇る
スーパーエンプラの注目素材

ジュラファイド® PPSは、株式会社クレハが製造したリニア型PPSポリマーの供給を受けて、当社が日本で最初にコンパウンド生産を行い販売を開始しました。
優れた特長である機械的強度、耐熱性、耐薬品性、難燃性をそのままに、従来型PPSと比較して、伸びや衝撃への強さが向上し靭性に優れています。自動車のエンジン周辺部品やハイブリッド・電気自動車の電装部品、スマートフォン、浴室・洗面所の混合水栓など幅広く採用されています。

主な特長

ポリフェニレンサルファイド(Polyphenylene sulfideの頭文字をとった略称=PPS)はアメリカのPhillips Petroleum社によって1973年に商業生産が開始されました。そして、その高い耐熱性などから需要が拡大していきましたが、分子構造に部分的な架橋構造を持つことで、脆い材料とされてきました。

1980年代に、(株)クレハが架橋構造を持たない直鎖状の分子構造を有するPPSの開発に成功し、1987年に当社は(株)クレハと事業提携し、この新しいPPSの市場展開を開始しました。直鎖型PPSは、これまでの架橋型PPSの評価を一変させ、モロさを克服した新しいタイプのPPSとして確固たる地盤を築きつつあります。

直鎖型PPSと架橋型PPS

ジュラファイド® に代表される直鎖型PPSは、架橋型PPSに比較し次の特長があります。

  1. 伸びや衝撃強さが大きく、強靭性に優れる
  2. イオン性不純物が少なく、厳しい電気的特性が要求される分野や燃料電池部品への応用が可能
  3. 熱安定性に優れ、成形加工が容易
  4. ウエルド強度が大きく、ねじ、圧入等、二次加工性に優れる
  5. 白色度が高く、着色が可能である

その用途は自動車のランプソケット、ウォーターポンプ、HEV/EVのPCUなど各種電装部品だけでなく、OA機器、AV機器などの機能部品、浴室・洗面所、の混合水栓や給湯器などの水廻り部品としてもその優れた特性が活かされています。今後は、その優れた強度、耐熱性から金属代替の樹脂材料としてもいっそうの成長が期待されている樹脂、それがジュラファイドです。

原料と製造法

主原料であるパラジクロルベンゼンと硫化ソーダを、有機系の極性溶媒中で重合させることで、PPS Polymerが作られます。

PPSは一般的にはガラス繊維や無機フィラー等を強化する事で、機械特性や熱的特性が向上します。多くのグレードは、PPS Polymerに各種強化材をコンパウンドすることで様々な特性を付与して作られています。

代表的なグレード一覧表

区分 特長 グレード名
GF強化 高強度 1140A6
GF強化 標準・低バリ 1130A64
GF強化 標準・低バリ 1140A64
GF強化 超高流動・低バリ 1140A7
GF強化 低塩素 1140A66
GF・無機フィラー強化 良寸法精度・標準 6165A6
GF・無機フィラー強化 低温金型・良接着 6565A7
GF・無機フィラー強化 低燃料膨潤 6165A7S
特殊 高衝撃 6150T6
特殊 高衝撃・低ガス 6150T73
特殊 摺動性 6345A4

主な用途例

  • Electric water pumps電動ウォーターポンプ

  • Electric oil pump電動オイルポンプ

  • Mixed water stopper混合水栓

  • Automotive motor insulatorsHEVモーターインシュレータ

  • Mobile phone (metal contact)モバイルフォン(金属密着)

  • Rice cookers (coil base)炊飯器(コイルベース)

  • Regenerative cooperative braking system回生協調ブレーキシステム

  • Prepregプリプレグ

製品関連情報