取組事例Our Approach

2018

ESH

2018.10.31

環境に配慮したエネルギー供給設備へ
富士工場、LNGパッケージボイラーを導入

ポリプラスチックス・富士工場では、今年度、エネルギー供給設備を大幅に転換しました。
よりクリーンな工場に生まれ変わった富士工場の取り組みを紹介します。

新たに導入されたLNGパッケージボイラー

従来のエネルギー供給設備

富士工場は、主に蒸気と電力をエネルギー源としています。従来はC重油ボイラーで発生させた蒸気を発電に利用し、操業に必要な蒸気と電力をすべて自社工場内で調達してきました。

設備転換のきっかけ

当社では近年、生産拠点を海外にシフトしてきたことにより、富士工場に求められる役割も「大量生産」から「多品種少量生産」へと移り変わってきました。その結果、従来のボイラー設備が過大となることに伴う多大なエネルギーロスと、既存設備を安全に使用し続けるための多額の維持費用が見込まれることになりました。これらの理由から、富士工場ではエネルギー供給設備の転換を検討し始めました。

これからの富士工場にとって、最適な設備を探る

エネルギー供給設備の転換にあたり、何を燃料源にして蒸気を調達するか、電力は自家発電か、外部から購入するのかなど、多様な選択肢がありました。あらゆる可能性を模索し、これからの富士工場にとって最適な答えを導き出すため、長年検討と議論を重ねてきました。設備投資、運転コスト、変動が激しい燃料価格を予測し経済性の評価と同様に、環境への影響も重要な評価要素です。加えて、住宅地に囲まれているため、燃料運搬時の安全性にも十分に配慮が必要です。そのようにしてたどり着いた答えが、複数台のLNGパッケージボイラーにより蒸気を供給し、電力は外部から購入するというものでした。

設備転換を担当した富士工場生産部 エネルギーグループ
鍋田 政計(左)、斎藤 友二(右)

LNGパッケージボイラー複数台設置のメリット

1.環境負荷物質の排出量の大幅な削減

既存の設備でも環境対策を積極的に実施し、環境負荷物質の排出量を基準値内に維持してきました。しかし今回、燃料をC重油からLNGに転換したことで、燃料そのものに含まれる環境負荷物質が大幅に低減されました。その結果、富士工場全体で硫黄酸化物排出量99%削減、窒素酸化物排出量30%削減、ばいじん排出量60%削減、そしてCO2排出量20%*削減が見込まれています。

*同じ生産量で従来設備のCO2排出量と比較した場合

■エネルギー供給設備の転換

2.運転面における作業負担の大幅な削減

既存の設備で必要とされた、運転開始前のC重油の温めといった作業や、バーナー交換といった日常作業がなくなりました。また、新設備はたとえボイラー1台が不具合を起こしても、他のボイラーで運転をカバーし、生産にマイナス影響を与えません。故障したボイラーは安全に停止して適切に修理ができるなど、運転面での負担が大幅に軽減されました。

3.将来の生産量変動に対する柔軟な対応力

既存の大型設備は、生産量が多い時は高い稼働効率を維持できます。一方で生産量が少ない時は、発生させる蒸気・電力の量に関わらず、設備稼働に一定のエネルギーが必要となるため不経済な運転となってしまいます。その点、新設備は生産量の増減に合わせ、ボイラー運転台数を自由に調整できます。設備稼働に使うエネルギーを最小限に抑え、常に最適な効率で蒸気を供給することが可能です。

より地域環境に優しい工場へ

LNGパッケージボイラーの導入によって、富士工場のクリーンエネルギー化を一層進めることができました。少しでも地域住民の方々の安心と、地球環境の保全に貢献できればという思いで、化学工場を操業する企業として、これからも環境の維持とさらなる改善に全力で取り組んでいきたいと思います。

副工場長よりステークホルダーの皆さまへ

今回のエネルギー設備転換は、CO2削減という環境方針のもと、経済性も考慮した決断でした。今後は生産量に応じた運転が可能となり、より環境に優しい工場に近づくことができると考えています。美しい海が身近にあり、地域社会に隣接した富士工場では、これからも地域の皆さまの信頼に応えられるよう、社会に貢献できる工場であり続けられるよう、日々研さんに励む所存です。今後ともご理解とご協力をお願いします。

富士工場 副工場長 天田 次雄